臨床検査学科
定員/40名(男・女)
修業年限/3年
臨床検査技師(国家資格)とは
臨床検査技師とは、医師の指示の下、患者様の身体に関する様々な検査を行う国家資格です 。
そのためとても高いレベルの知識・技術を駆使して検査は行われています。臨床検査とは医師が診療する際に患者さんの病気やケガの状態を評価するための検査のことで、問診とあわせて、医師が患者さんの身体の状態を客観的に診るため 、また、診療・治療を適切に進めるために必要不可欠です。臨床検査技師が行う検査の結果をもとに、薬の有無、処方薬の種類の判断も行われるため、非常に重要な役割を担っています。
さらに、臨床検査を 行うことで 、患者さんが症状を自覚する前に異常をとらえることもあり、病気の早期発見、早期治療につながるなど、あらゆる面で活躍する医療職種です。
臨床検査技師は法律で 次のように定められています。
臨床検査技師とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床検査技師の名称を用いて、医師又は歯科医師の指示の下に、人体から排出され、又採取された検体の検査として厚生労働省令で定めるもの以下「検体検査」という。 及び厚生労働省令で定める生理学的検査を行うことを業とする者をいう。(臨床検査技師等に関する法律第一章第二条)
臨床検査技師の主な業務
【検体検査 】
採取した検体(身体組織)等の検査
- 一般検査 尿検査、糞便検査、喀痰検査、 胃液検査、 髄液検査 など
- 血液検査 貧血検査、炎症、白血球の検査、止血凝固能検査など
- 病理学検査 がん細胞の検査など
- 生化学検査 肝機能、腎機能の検査など
- 免疫学検査 抗原・抗体検査など
- 遺伝子・染色体検査
- 輸血・移植検査 血液型、不規則抗体検査、交差適合試験など
- 微生物検査 細菌・ウイルス等の感染症の検査
【生理学的検査 】
医療機器を使い身体に直接行う検査
- 心電図検査
- 脳波検査
- 呼吸機能検査
- 筋電図検査
- 神経機能検査
- 超音波検査
- 味覚・嗅覚検査
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PCR 検査と臨床検査技師
新型コロナウイルス感染症拡大に伴いニュースなどでよく耳にするようになったPCR検査は臨床検査技師が行っています。 PCR検査は鼻や喉の粘膜を採取し行うことから検体検査の中の遺伝子学的検査に分類されます。 正式名称を「ポリメラーゼ連鎖反応」(Polymerase Chain Reaction )というウイルス検査の方法です。 ウイルスの遺伝子( DNA)を増幅させることで 検出が可能となります。
そのため 検体に含まれる遺伝子がわずかでもどのような ウイルスかが検出できるという利点を備えており、 コロナウイルス 感染症以外でも様々な 病原体の検出が可能な検査です 。
活躍の場
病院・クリニック
病院やクリニックでは、臨床検査技師は必ず必要です。基本的には検査室に勤務することが多いですが、治療に直接関わるチーム医療に携わることもあります。
検査センター
検査センターは、病院やクリニックから送られた検体の検査を行う施設です。検査設備が整っていない医療機関の代わりに検査を代行し行ったり、特殊な検査を行うなど業務範囲は様々です。
健診センター
健康診断や人間ドックなどを行う健診センターの臨床検査技師は、検体検査・生理機能検査など幅広い業務を担当します。
保健所
自治体の施設や食品営業施設での衛生確認や食中毒が発生した際の検査などを行います。臨床検査技師免許に加え、公務員試験にも合格する必要があります。
血液センター
血液検査と品質管理を主な仕事として行います。また血小板を製剤する業務なども担います。
医薬品開発業務受託機関(CRO)
CROは製薬会社の治験関連業務を代行・支援する企業です。臨床検査技師は、CRA(臨床開発モニター)として、医療機関が適切に治験業務を行っているかを監視・確認等を行います。
治験施設支援機関(SMO)
SMOは製薬会社の治験関連業務を依頼された医療機関と契約し、治験業務の支援を行う企業です。臨床検査技師は、CRC(治験コーディネーター)として被験者や医師、依頼者の間に入って全体の調整を行います。
製薬会社
製薬会社で働く臨床検査技師は、自社製品の治験を企画するほか、専門的知識を用いて営業を行うこともあります。医療現場に欠かせない医薬品の開発・販売に関わる重要な仕事です。
大学・養成校・研究室
医療系の研究職として研究・開発を行います。また大学や専門学校などで教員として臨床検査の講義・指導を担当することもあります。